旧家のリフォーム(揖斐郡大野町A様邸)

大正時代から受け継がれる旧家(日本家屋)のリフォームを行いました。

当社が20年以上前から修繕・修復工事(建物の維持保全工事)でお世話になっている岐阜県揖斐郡大野町のA様邸です。

旧家の玄関


中庭には立派なお蔵が建ち並んでいます。

お蔵


私が子供時代を過ごした家もこんな雰囲気の昔の家だったので中に入ると懐かしい気持ちになり心がほっと落ち着きます。

旧家の居間


今回、ご依頼を頂いたのは居間とお蔵と塀の三箇所の工事です。

まずは、表座敷(居間)の床の張り替え工事を行います。

床の修復工事


既存の床を解体した様子です。
土の土間と自然石の束石(つかいし)が現れました。

床の解体
今回お客様からご相談を頂いたのは、歩くと床がブカブカするようになってきたということでしたが幸いにも土間からの湿気が原因(腐れなど)ではなく、長年の暮らしの間に床を支える大引き土台や床束の接合部が緩んで動いてしまったのが原因でした。
湿気が原因の場合は他の場所(部屋)の床下にも影響を及ぼしている可能性があるのでまずは良かったです。



大工工事の様子です。
丈夫な床を作るために新しい大引き土台(ヒノキ)と根太を組み入れてから無垢のフローリングを張ります。
※床は新築の家と同じように下地板(12㎜)と仕上げ板(15㎜)の二重張りで施工しています。

無垢フローリング


経年変化したまわりの木の色に合うように新しく張った無垢の床板は古色調の自然塗料で仕上げました。

無垢床の塗装
また今回、床材を決めるにあたって節のある木と節のない木のどちらにしましょうかとお聞きしたのですが、お客様はより自然な木の雰囲気が味わえる節のある床板に決められました。
節のない木は高級感はありますがどこかのっぺりとした印象を受けるので、私も床材に無垢を使うなら節のある方が本物感があって好きです。



無垢の床は味があってやっぱりいいですね。
柔らかな歩き心地はもちろん、落ち着いた色合いもの旧家の空間によく合います。

床工事



そして、こちらはお蔵の庇屋根を支える柱の取り替え工事。
柱の根元がもろくなっていたため取り外し、同じ太さの柱(ヒノキ)に取り替えて以前と同じように堅木の込み栓を打ち込みました。※柱は古い梁の色に合うように着色(屋外用保護塗料)してあります。

お蔵の柱



最後は塀の修復工事です。
長年の雨風の影響を受けてきた板壁の部分が全体的に傷んできたため取り替える工事を行います。

板塀


板壁の部分は前もって作業場で作っておき、それを現場に運んで塀の本体に取り付けるという工程です。

板塀の修復工事


新しく作った板壁を塀の本体に固定し、修復工事は完成です。

旧家の板塀
※板と桟には屋外用保護塗料を二回塗りで仕上げてあります。